Lame's blog from NewYork

「アメリカで暮らしてみたい」という夫の10年越しの夢がとうとう叶うことに。夢のその先に何が待っているのか。怖がり泣き虫甘えん坊の一人息子がただただ心配。

「子供に言葉の壁はない」って本当?(保育参観の姿から考える息子の言語理解。あれ?)

先日、息子の保育参観(年中)がありました。
毎年進級して新クラスでカオスな4月、GWでリセットされてまぁまぁカオスな5月が終わった6月頃に開催されています。(コロナで一昨年からは一部時期や参観方法の変更がありました。)

各園によって様々かと思いますが、息子の園では午前中いっぱいの約3時間が参観時間です。(結構長いのかな?でも息子の外での姿見るの楽しい!)


渡米を控えているので、今回が最後の保育参観。
純粋に楽しみなのと、今の保育園での姿がアメリカでpreschoolを選ぶ基準になると思っていたので、そういう意味でも息子やクラスメイトの姿をしっかり見るぞ!という気持ちで臨みました。

今までの保育園生活を振り返る。(泣き虫の軌跡)

息子は生後7ヶ月から保育園に通っている、エリート保育園児です。(勝手に私がそう呼んでいる。何だろう。)

0歳代は企業内保育園に半年通い、今の認可保育園には1歳クラスの4月に入園(転園)しました。
※どちらもすごく良い園です。

企業内保育園では、初日の2時間の慣らし保育でずっと泣きっぱなし、慣らし保育を終えて通い始めて1ヶ月程してやっと「初めて笑顔を見ました!!」と報告されました。

その後、日中は楽しく過ごせるようになっても預ける時は半年間毎日泣き続けました(ちなみにお迎えの時も思考回路がショートするのか、わたしの顔を見て泣いてました。)

とにかく慎重派な性格で、初めてのことは決まって泣いていて、毎月の園のお便りでも顔を真っ赤にして泣いている写真が多かったです。(泣いても可愛いよ!)



1歳を過ぎて今の認可保育園に転園してからは、
慣らし保育が終わった5月、6月になっても「今日は○○の時間は泣き止んで活動に参加出来ました!orみんなの様子を見ていました!」っていうのがお迎え時のいつもの報告でした。
そんなに泣いているなら「食事中はどんな様子ですか?」と先生に聞いた時は「食事の椅子に座らせてあげると泣き止みます。食べ終わるとまた泣いています。」って言われてました。……そんなことあるんかい。

まぁ、とは言っても半年間は企業内保育園に通っていたし、そこまで泣かずに遊んでるでしょって思って迎えた初めての保育参観@6月。


なんと、初めての保育参観は3時間ずっと泣いていました(笑)
シクシクメソメソ…とかではないくて、「えーん、えーん」って本当に3時間ずっと声を出して泣いていました(笑)→体力と根性すごくないですか?
ちなみに先生が一人ついてくれて、ずっと抱っこしながらお砂場とかオモチャ遊びとか声を掛けてくれていました。(一人の労働力を占領してすみません。)

まさか本当に(ほぼ)ずっと泣いていたとは。
→参観の日は、お気に入りの先生がお休みで泣き止む隙が無かったようです。すごいぞ、息子。

あ、そうそう、本当に食事の時は椅子に座ると泣き止んでモグモグ→食べ終わると泣いていました(笑)
そのため、一番最初に椅子に座らせてもらっていた姿が可愛かったです。→能天気。



<話が長くなるので、1歳クラス以降はダイジェストでお送りします>
◇2歳クラス(コロナのため保育参観中止)
コロナで初めての緊急事態宣言発令。
新しいクラス、新しい担任だけでなく、登園自粛要請で園児数が減っていつもと様子が違う園に大パニック。毎朝廊下を泣きながら走って逃げ回る。
新しく就任された園長先生に「一番に息子君のこと覚えたわ!泣き声だけでわかるわ!
」と泣き虫のお墨付き。
※良い園長先生です。

◇3歳クラス
保育参観の前日に先生から「息子君と、明日は泣かないって約束しました!」と言われる。当日、廊下から覗いていると、わたしがいることが嬉しくてずっとわたしの前にニコニコ立っている。(普段の姿が見たいのだが。)
みんなでダンスを披露してくれて、息子も頑張って踊り切る。お昼ご飯前は疲れでちょっと泣くも、すぐに泣き止んで花丸。→クラスメイトが頭撫でてくれていた。同級生。

もうみんな赤ちゃんじゃなくて、ちゃんと集団行動出来ていてすごい。(でも自由奔放でカオスな3歳)


こんな息子は7ヶ月からずっと登園時に泣き続け、やっと泣かずに登園出来るようになったのは3歳半です。
3年間、お疲れさま!

(今年の4月に入園して泣いている子供に悩んでいるママパパがいたら安心してください。いつかは泣かなくなります!)




そして迎えた今年の保育参観@4歳クラス
朝、一緒に登園して荷物の支度、自由時間(一人でパズルして完成したら廊下まで見せにきてくれた!)、朝の会(ダンス&歌あり)、工作、外遊び(&着替え)、毎月のお楽しみ会、給食と盛りだくさんでした。

運動発達はゆっくりな息子。ダンスは眉間にシワを寄せながら(笑)、先生やお友達のマネをしていました。合っていたりずれていたり(みんなこんな感じ)とても可愛い!

歌は大好きなので、笑顔で得意げにわたしをチラチラ見ていました。(可愛い!)

工作も、家だとすぐに飽きるのにちゃんと時間いっぱい使って作り上げていました。(可愛い!)

外遊びでは、ルールがよくわかっていないながらもみんなと同じゲームに参加して、運良く勝ち残って訳もわからず喜んで嬉しそうでした。
「残り時間は自由に遊んでOKです!」という先生の言葉でみんなが一斉に散っていくのに、息子だけその場から動かず地面のアリを追っていて息子らしかったです。(可愛い!)

着替えも慣れたもので、脱いだ洋服はカバンにしまってロッカーへ戻すし、トイレも促されることなく自ら行っている。
席に着いて次の活動を待っているし、食事だって一人で食べられる。


苦手なことも外れることなく参加して、分からないことも周りを見ながら追いついて、本当に頑張っていました。

もちろん、泣くことだってなかったです。


ねぇ、本当に大きくなったね。





「子供に言葉の壁はない」って言うけれど。
0歳の赤ちゃん時代から約4年掛けて、息子は頑張って頑張って、やっと安心して成長出来る土台(保育園という居場所)が出来たと思います。
パニックになって泣いていた時代を過ぎて、ちゃんと自分で聞いて、見て、実行して。好きなことだけじゃなくて、苦手なことだって挑戦してる。
もちろん、今回の参観だけじゃなくて、家庭でも心が強くなったなと感じる場面は増えました。(3歳半〜4歳過ぎたあたりかな?一人で出来るもん!が増えた。)


だからこそ、これからアメリカという新しい世界に行くことが息子にどう影響するのか不安が大きいです。

言葉の発達は早かった息子。いきなり言葉が分からない世界に行って、どう感じるのだろうか。
乗り越えられる力が身についているのか、また泣き虫に逆戻りなのか。(それも成長過程だと思うのですが)

4歳って、もちろん「赤ちゃん」ではない。
色々分かっている。
でも、分かっているようで分かっていない。


…実際に渡米するまで答えが分からないからこそ、ぐだぐだ悩んでしまいますね。




「言葉の壁」ってそもそも何?
そして参観が終わって落ち着いてから「言語の壁」についてちゃんと考えてみました。→やっと本題!!
(参観中はただ上記のように「可愛い」「あと数ヶ月でここを離れるのか」「大丈夫かな」とか思っていたんです。)
※以下はわたしが個人的に考えたことです。違う意見の方がいるのも承知しています。


息子のクラスにはハーフの子と外国籍の子が数人います。
親と子の在日年数、日本語能力も様々です。その中でも、息子が渡米した時の立場に一番近いのは、両親共に外国籍で最近来日してきて日本語はほとんど話せず、子供も日本語は全く話せない子です。

参観中のその子の様子を思いだすと…

・ニコニコ
・他のクラスメイトとブロック遊び(おもちゃ取ろうとして注意される)
・先生の声掛け&周囲を見てみんなと同じ活動に参加


…あれ?
本人も、そして息子を含むクラスメイトも特に気にしていない。
他の子と同じ。


あれ?ていうか、そもそも息子だってほとんど喋ってなくない?

みんな仲良く遊んでいるけど、学校生活のように決まった仲良しグループが出来ているようで出来ていない。
ブロックで遊んでいる子がいたら、その遊びをしたい子が集まって自然に遊んでいる。そしてまた違う遊びに興味が移ったらそっちのグループへ。

ペアでダンスをしましょうってなったら、「今までその子と絡んだ?」っていうような子同士でペアになっている。(ただそのとき隣にいたから)
でもちゃんとダンスはしている。

「一緒にあーそーぼー」
「入れてー」
「キャハハー(なんか笑ってる。)」
(たまにジャンケン)
ウルトラマン!へーんしん!」

こんな感じでずっと騒がしい教室だけど、そんな高度なことは喋ってないんですよね、実際。
昨日見たドラマの話で盛り上がったりしないし、来週のテストの愚痴もない、週末に遊ぶ約束だってしない。
(女子同士のおままごとが一番高度な会話。)


そして「聞く」にしても、息子を思い出すと…

・「ハサミとノリをお道具箱から出してください」→ハサミだけ出して、途中でお友達がノリを使っているのを見てノリを取り出す
・「よーいドンでスタートして、ゴールはあの線です」→線を越えて走り続ける
・「○○は何でしょう?(クイズ)」→分かっている子は手をあげるけど、息子は手を上げず。


なるほど。
集団指示だと全部の言葉を理解している訳じゃないのか(笑)
(言葉が聞き取れないのか、聞いても理解出来ていないのかは不明。どっちもどっちかな。)

朝の会、着替え、トイレ、給食などのルーチンは覚えているから出来るけれど、初めての行事だったり毎回違う工作や遊びはわかってないんですね。でも、周囲を観察して溶け込んでいる。




言葉の壁が「まだ出来ていない」
調べてみると、子供の第一言語(母国語)習得は6歳頃に確立すると書いてある書籍が多かったです。

そして第一言語が確立してからいわゆる「勉強」で学ぶことが出来るようになると。
小学校の就学年齢にも大体合ってますね。言語が確立していないと、頭の中で言語化して考える(理解する)ことが出来ないってことですよね。(巷で良く言われるロジカルシンキング

確かに、「学ぶ」には「考える」ことが必要で、考えるには「言語」が必要ですもんね。


そうそう、第二言語の立場については「第一言語の能力を上回ることは難しいのでどちらも中途半端にならないようにまずは第一言語を確立しましょう」と書いてあるのがわたしとしては「ふむふむ」でした。
(小説家が自分の能力よりも高い人物を書くことが出来ないと同じというか。自分で考えられない(言葉に出来ない)ことは書けない。)
※国際結婚で両親の言語が異なる等、色々な環境があると思うのでその辺は柔軟に考えてください。


こんなことから推測するに、きっと息子にはまだ言葉の壁=『自分の中で確立した言語』が出来ていないような気がします。

家の中ではたくさん喋るし歌う息子。
でも一歩外に出ればまだそれが通用しないことがあるのが息子の「今の世界」。
楽しそうに保育園で過ごしていた姿は、日々の積み重ねの上で成り立っている姿。



本当に、毎日頑張っているね。
頑張り屋さんなことは、ママが一番良く知っているよ!
(泣き虫だけど)





そして個人面談。
後日、担任の先生との個人面談がありました。ざっくりまとめると、

・だいぶ泣かなくなりましたね(まずこれ)
・説明は分かっているようで分かっていないけど、周囲を良く見てついていっている。
・現状、困り事は特にない
・これからの課題は「分からない!」と自分でSOSを出せるようにする→集団で分からなくても、1on1で説明すれば分かる。でもSOSを言えないと周囲が助けられない。

大体予想通りでした。家庭でも頑張っていきます。


そして、今回の個人面談では引越し(退園)のことを伝えるかどうか直前まで悩んでいて…。
退園まで数ヶ月あるけど、この後はもう面談ないし…。
まぁその場の様子を見て判断しようと思っていましたが、結局お伝えしました。

なぜかと言うと、面談中に「(就学まで)あと1年半あるから…」「この後の1年半の課題として…」「1年半あれば○○も出来るようになって…」って、『1年半』のワードがめっちゃ多かったからです(笑)→パワーワードの圧に耐えきれず。


「…これくらいですかね。あとは何か質問ありますか。」
「…えっと……実は、秋に引越し予定でして…」
「あら、そうなんですね。」
「…家族でアメリカに引越すことに…「えっ!!!???」



先生の中で今年一番(仮)の衝撃になったようでした(笑)

この後、息子の性格を知った上で、新しい環境になることをどう思うか聞いてみたところ、「泣かないでいけるんじゃないですかね?もちろん泣くかもしれませんが。」って言ってくれました。

夫に言われるよりも、保育園の先生に言われるこの言葉が一番説得力ありました。
背中を押された、とてもプラスになった保育参観でした。



そうか、泣かない可能性もあるのか。

 

ラメ